イジワル外科医の熱愛ロマンス
混乱する私を面白そうに見下ろし、祐がフッと目を細めた。


「いい加減、認めろよ。雫」

「な、なにを」

「今夜、俺に抱かれること期待して、ドキドキしてたって」


即座に畳みかけられるそんな言葉に、私は無意識にゴクッと喉を鳴らした。
怖いくらい大きく、心臓が拍動を続けている。


「ち、違うっ……! してない、そんなこと……!!」


必死に首を横に振って、振り絞るような声で否定した。
途端に、祐の手が私の顎をガシッと掴む。
私の顔を真正面に向けて固定して、彼は綺麗な顎を傾けた。


「違わない。お前は木山先生に来いなんかしてない。俺に堕ちたんだよ」


高飛車に言いのけた祐が私の視界のど真ん中で、フッと目蓋を伏せるのを見た。
その次の瞬間、強引に唇を奪われた。
その温かく柔らかい感触に、反射的にビクッと身体を震わせる。


「んっ、やっ……!」


身体を強張らせ、祐の胸を両手で押し返しながら、私はようやく抵抗の声を漏らした。
けれど、祐は何度も小さく啄むようにキスを仕掛けてくる。


逃げなきゃ、と思うのに、祐のキスがあまりに熱く甘くて、身体が痺れたように動かない。
否応なく私の身体に刻みつけられる官能的な疼きに、気が遠くなりそうになる。
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