イジワル外科医の熱愛ロマンス
蘇る初恋のときめき
深く濃い霧に覆われた意識の中で、誰かの話し声が聞こえてきた。
その声が少しずつ明瞭になっていくと同時に、私の意識の霧も晴れていく。
「ご迷惑おかけしました。ありがとうございました」
その言葉に導かれるように、私はふっと目を開けた。
ボーッとしたまま見上げた、無機質なタイル張りの天井。
窓に薄いカーテンがかかっていて、照明が点いていない室内はほんのちょっと薄暗い。
それでも、部屋の様子がわからないわけではないから、きっと窓の外にまだ陽がある時間なのだろう。
首を捻って、辺りを見回してみた。
私が横になっているのは、狭いベッドだ。
窓とは反対側、左のベッドサイドは、天井から下がったカーテンが引かれている。
私の左腕は布団の上に出ていて、前腕の内側に、白い絆創膏で細いチューブが装着されている。
ルートを追って上に目を上げると、点滴棒にぶら下がった薬液パックに繋がっていた。
どうやらここは病院の一室みたいだ、と合点する。
なんで私が?と首を捻った途端――。
「っ……!!」
一気に記憶が呼び戻された。
慌てて布団を跳ねのけるのと同時に、左側のカーテンがシャッと音を立てて開く。
そこから顔を覗かせたのは、スーツ姿の祐だった。
その声が少しずつ明瞭になっていくと同時に、私の意識の霧も晴れていく。
「ご迷惑おかけしました。ありがとうございました」
その言葉に導かれるように、私はふっと目を開けた。
ボーッとしたまま見上げた、無機質なタイル張りの天井。
窓に薄いカーテンがかかっていて、照明が点いていない室内はほんのちょっと薄暗い。
それでも、部屋の様子がわからないわけではないから、きっと窓の外にまだ陽がある時間なのだろう。
首を捻って、辺りを見回してみた。
私が横になっているのは、狭いベッドだ。
窓とは反対側、左のベッドサイドは、天井から下がったカーテンが引かれている。
私の左腕は布団の上に出ていて、前腕の内側に、白い絆創膏で細いチューブが装着されている。
ルートを追って上に目を上げると、点滴棒にぶら下がった薬液パックに繋がっていた。
どうやらここは病院の一室みたいだ、と合点する。
なんで私が?と首を捻った途端――。
「っ……!!」
一気に記憶が呼び戻された。
慌てて布団を跳ねのけるのと同時に、左側のカーテンがシャッと音を立てて開く。
そこから顔を覗かせたのは、スーツ姿の祐だった。