イジワル外科医の熱愛ロマンス
「そうです。祐、私なんかと変な想像するなって、怒ってて」

「お前と噂されるのが迷惑って、そういう意味じゃない」


祐は即座に返事をして、大きな手で顔を覆い隠した。


「じゃあ、どういう……」

「中学って言ったら、思春期ど真ん中じゃないか。健康な男子なら、エロ本やらAVやら隠し持ってるのが普通のお年頃。あの時のアイツは、まさにそういうのを、俺と雫で妄想しようとしたの」

「そういうの、って」

「俺とお前が……キスしたりセックスしたりするところ」


祐はほんの少し躊躇した後、私にそう言い放った。
私は一瞬なにを言われたのか、理解できず……。


「……ええっ!?」


ワンテンポ遅れて、頬が熱を帯びてカッと熱くなった。


「なっ……なっ!?」


なにか言いたいのに、私の口は無意味な単音を繰り返すだけ。
祐も大きく肩を動かして溜め息をついた。


「ほらな。そういう反応だろ?」


それには、必死に何度も首を縦に振って同意を示す。


中学の頃のただのクラスメイトに、祐と私のことをそんな風に想像されていたなんて。
大人になった今聞いても、とても平静ではいられない。
あまりに衝撃的で、一瞬クラッと眩暈に襲われた。
けれど。
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