イジワル外科医の熱愛ロマンス
「で、でも……」


なんとか気を持ち直すと、思い切って口を開いた。
意味もなく布団の上で両手の指を組み合わせながら、火照った頬を隠すように俯く。


「私じゃなくて、学年一の美女って言われてた子なら、よかったんじゃ……」


言葉を濁すと、祐は首を横に振ってから長い足を大きく組み上げた。


「誰ならいいとかじゃない。俺は、アイツが雫のことを想像するのが嫌だっただけだ」

「え?」


祐の返事に、私は困惑しながら首を傾げた。
それに対して、祐は忌々しげにチッと小さな舌打ちをした。


「え?じゃねえ。これだけ言って、まだわからないのか? あの時、お前、アイツの頭の中で素っ裸にされて、AV女優並みのエッロいことガンガン妄想されてたんだぞ」

「……っ!?」

「アイツ、仲間内でも特にハードなの好きだったから、きっと相当……」

「ちょっ……やめてください!!」


祐の説明は、あまりにわかりやすすぎた。
その言葉に導かれ、祐の仲間があの時どんな妄想をしたか、まったく経験のない私にまで想像できてしまう。


「中学生だって言うのに、なんて破廉恥なことを……」


思わず頭を抱える私に、祐は大きな息を吐いた。
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