イジワル外科医の熱愛ロマンス
どこまでも強気な宣言に、私の胸は一際大きな音を立てて跳ね上がった。
「ゆ、祐……」
戸惑って呼びかける私の唇の前に、『しっ』と右手の人差し指を立てて制する。
「NOは聞かない。覚悟しろ」
祐は、意地悪に口角を上げた。
「一方的に破談にされた婚約、今度はお前自身が望むように、じっくり仕掛けてやる」
そう言って、彼は私の後頭部に手を回した。
そのまま強く引き寄せられ、私は抵抗する間もなく、呆気なく唇を奪われてしまった。
触れてすぐ啄むように動く祐の唇に、私は身を強張らせるだけで抗えない。
上手く呼吸ができず、無意識に祐の胸に両手を置いた。
けれど、その手に力は入らず、押し返すこともできない。
「……ん、っ……」
頭では、祐を止めなきゃ、と思考回路が働こうとしている。
なのに、心は祐の言葉に強く激しく揺さぶられていた。
祐の言葉が傷になり、中学の時からずっと抱え続けたトラウマ。
十年以上も経った今、彼が言ってくれた言葉が、私の心をくすぐり、ときめかせる。
深く強く貪るようなキスに、今、祐の心があるなら。
私を好きだと言って、求めてくれるのなら――。
ここからもう一度、ちゃんと祐に向き合うべきだ。
一度は断ち切った祐への初恋に。
そして、今の祐の想いにも。
「ゆ、祐……」
戸惑って呼びかける私の唇の前に、『しっ』と右手の人差し指を立てて制する。
「NOは聞かない。覚悟しろ」
祐は、意地悪に口角を上げた。
「一方的に破談にされた婚約、今度はお前自身が望むように、じっくり仕掛けてやる」
そう言って、彼は私の後頭部に手を回した。
そのまま強く引き寄せられ、私は抵抗する間もなく、呆気なく唇を奪われてしまった。
触れてすぐ啄むように動く祐の唇に、私は身を強張らせるだけで抗えない。
上手く呼吸ができず、無意識に祐の胸に両手を置いた。
けれど、その手に力は入らず、押し返すこともできない。
「……ん、っ……」
頭では、祐を止めなきゃ、と思考回路が働こうとしている。
なのに、心は祐の言葉に強く激しく揺さぶられていた。
祐の言葉が傷になり、中学の時からずっと抱え続けたトラウマ。
十年以上も経った今、彼が言ってくれた言葉が、私の心をくすぐり、ときめかせる。
深く強く貪るようなキスに、今、祐の心があるなら。
私を好きだと言って、求めてくれるのなら――。
ここからもう一度、ちゃんと祐に向き合うべきだ。
一度は断ち切った祐への初恋に。
そして、今の祐の想いにも。