イジワル外科医の熱愛ロマンス
「あの~……。もしかして、上手くいかなかったですか?」
私が見破っていることに弁解するつもりはないのか、美奈ちゃんは遠慮なくそこを探ってくる。
そんな彼女に、私は無意識に苦笑を漏らした。
「上手くって……」
美奈ちゃんの反応は予想していたから、私はそれに返す答えをちゃんと考えていた。
だからうろたえることもなく、口にしかけたその時。
「あ~。それ、僕も聞きたいな」
予想外に木山先生がヌッと顔を割り込ませてきて、私はギョッとして言葉をのんだ。
「えっ!? 木山せんせ……」
「実は医療フォーラムの後、君と同じ部屋で過ごすことになったって、宝生先生から電話もらっててね。気になってたんだ」
私と美奈ちゃんの間に割って入ってきた木山先生がそう言って、私は大きく目を見開いて絶句した。
「おお~! それは、宝生先生の誠意ってヤツですかね!? ほら、『今から上司の彼女に手を出します』って宣言してるみたいな……」
美奈ちゃんが一人で盛り上がってパチパチと手を打つ間に、私はようやく我に返った。
そして、勝手に話を進める二人を、「違います!!」と声を張って制す。
一度大きく肩で息をしてから、私はスッと背筋を伸ばした。
私が見破っていることに弁解するつもりはないのか、美奈ちゃんは遠慮なくそこを探ってくる。
そんな彼女に、私は無意識に苦笑を漏らした。
「上手くって……」
美奈ちゃんの反応は予想していたから、私はそれに返す答えをちゃんと考えていた。
だからうろたえることもなく、口にしかけたその時。
「あ~。それ、僕も聞きたいな」
予想外に木山先生がヌッと顔を割り込ませてきて、私はギョッとして言葉をのんだ。
「えっ!? 木山せんせ……」
「実は医療フォーラムの後、君と同じ部屋で過ごすことになったって、宝生先生から電話もらっててね。気になってたんだ」
私と美奈ちゃんの間に割って入ってきた木山先生がそう言って、私は大きく目を見開いて絶句した。
「おお~! それは、宝生先生の誠意ってヤツですかね!? ほら、『今から上司の彼女に手を出します』って宣言してるみたいな……」
美奈ちゃんが一人で盛り上がってパチパチと手を打つ間に、私はようやく我に返った。
そして、勝手に話を進める二人を、「違います!!」と声を張って制す。
一度大きく肩で息をしてから、私はスッと背筋を伸ばした。