イジワル外科医の熱愛ロマンス
「お姫様抱っこ。サービスしてやってるんだけど? ゲームの中で体験して、萌えてたんじゃないのか?」

「それはっ……! リアルでされると照れ臭いです! じ、自分で歩けますからっ」

「あ~、うるさい」


抱き上げられたままジタバタする私に構わず、祐はスタスタと歩を進める。
この部屋の中で一際存在感を放っている、立派なセミダブルのベッドに向かっていく。


「下ろして」とは言ったものの、ちょっと乱暴にベッドの上に横たえられ、私は思わずギュッと目を閉じた。
背中でスプリングが軋み、身体が軽く弾む感覚。
それが落ち着いてから再び目を開くと、ベッドサイドに立った祐が、羽織っていたシャツを脱ぎながら、私を見下ろしていた。
私が見つめる中、そのシャツをパサッと床に落とす。


「あ……」


隠すことなく露わにされた、祐の引き締まった胸。
無駄な贅肉などどこにも見当たらない、すっきりと筋肉質なお腹が私の目にバッチリと映り込み、鼓動が一気に加速するのを感じた。


あまりの恥ずかしさに思わず顔を背ける。
ベッドがギシッと軋む音を聞いた。
片膝を突いてベッドに乗り上げた祐が、私の顎を掴んだ。
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