イジワル外科医の熱愛ロマンス
真ん中に立っている王子様風のイケメンが、今私が攻略している翔君だ。
彼は私に向かって『おいで』とでも言ってるように、手を差し伸べてくれている。


まさに彼に導かれるようにマイページにアクセスする。
今、彼との恋は中盤に差し掛かっている。
ここが私の踏ん張りどころ。
そう、今後の為にも、このフィーバータイムを無駄にするわけにはいかない……！


「そうよ。祐のことなんかで腹立ててる場合じゃなかった！」


自分を鼓舞するようにそう言って立ち上がると、スマホはベッドの上に置いて、私は急いで部屋着に着替えた。
再びベッドに戻り、その上でペタンと横座りする。


スマホの画面上では、早速翔君が私に甘いセリフを語りかけてくれている。
それを目で追っているだけでドキドキするし、時々出てくるカッコいいスチルイラストは、いつも私の胸のど真ん中を射貫いてくる。


「ああ……幸せ」


ストーリーにのめり込み、私の顔は無意識のうちににやけてしまう。
そして私は、キラキラの二次元恋愛の世界に、今夜もどっぷりと浸るのだった。
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