イジワル外科医の熱愛ロマンス
私の頑張り次第で、ちゃんと幸せなハッピーエンドが用意されているという、この絶対的な安心感。
リアルの私はなにも痛い目に遭わず、興味関心のすべてを満たしてくれるのだから、私にはゲームのお相手さえいてくれればいい。
そう、私は恋愛ゲームにどっぷりはまり、その世界に満足してしまっていた。
ところが、そんな私に、祖父が危機感を覚えていたようだ。
穏やかで自分なりに幸せな大学生活を終えて無事に卒業した途端、祖父は私と祐の婚約を強引に進めてしまったのだ。
寄りにもよって、私から恋の夢も希望も奪った張本人が相手。
もちろん、横暴すぎる祖父には死にものぐるいで抵抗した。
なのに、祐の方はすんなり受け入れたと聞いて、抵抗の目を削がれてしまった。
『構いませんよ。そう言ってくれてるのに、お前はなにが不満だ』
私なんか絶対ないと言った祐が、私で『構わない』なんて。
その一言が、ただ不可解だった。
でも、想像することはそれほど難しくはない。
父も母も祖父の決定を止めなかったし、祐や宝生のご両親も納得しているのなら、これも結局家の為、そういうことだと割り切ってるんだろう。
そう考えた私は、言っても無駄な抵抗をするのはやめた。
ただ一つ。
絶対的な決意を胸に秘め、祐との婚約に応じたのだった――。
リアルの私はなにも痛い目に遭わず、興味関心のすべてを満たしてくれるのだから、私にはゲームのお相手さえいてくれればいい。
そう、私は恋愛ゲームにどっぷりはまり、その世界に満足してしまっていた。
ところが、そんな私に、祖父が危機感を覚えていたようだ。
穏やかで自分なりに幸せな大学生活を終えて無事に卒業した途端、祖父は私と祐の婚約を強引に進めてしまったのだ。
寄りにもよって、私から恋の夢も希望も奪った張本人が相手。
もちろん、横暴すぎる祖父には死にものぐるいで抵抗した。
なのに、祐の方はすんなり受け入れたと聞いて、抵抗の目を削がれてしまった。
『構いませんよ。そう言ってくれてるのに、お前はなにが不満だ』
私なんか絶対ないと言った祐が、私で『構わない』なんて。
その一言が、ただ不可解だった。
でも、想像することはそれほど難しくはない。
父も母も祖父の決定を止めなかったし、祐や宝生のご両親も納得しているのなら、これも結局家の為、そういうことだと割り切ってるんだろう。
そう考えた私は、言っても無駄な抵抗をするのはやめた。
ただ一つ。
絶対的な決意を胸に秘め、祐との婚約に応じたのだった――。