イジワル外科医の熱愛ロマンス
けれど祐は、私のそんな様子には気付かない。
「あんなにマジに拒否られたの初めてだったから、さすがにこっちも動揺した。だからこそ、お前の気持ちが俺に向くのを待って、四年も手出さずにいたのに。婚約者相手にプラトニック貫いて、待ってるうちに逃げられるとか……いったいどういう仕打ちだって言うんだよ」
最後はチッと舌打ちをして、祐は白衣のポケットに両手を突っ込んだ。
一方的に婚約を破棄した私を詰る彼の言葉を聞くうちに、私もきゅっと唇を噛んでいた。
なぜ祐に、私が彼のものにならなかったことを詰られなきゃならないんだろう。
私とは『結婚も恋愛も絶対ない』と先に言ったのは祐の方だ。
中学生のあの時以降、私たちは完全に他人だった。
婚約だってウチの祖父が勝手に押し進めたものだし、私の方こそ、祐がなぜ承諾したか、ずっと謎だった。
でも確かに祐の言う通り、私が最初に拒絶して以降、四年の婚約期間の間、彼は私に触れようとはしなかった。
それどころか、婚約者と言うだけで、私たちは友達でも恋人でもなかった。
それに、私は知っている。
祐は私と婚約している間も、付き合っている人がいたはずだ。
何度か女の人と一緒にいるのを見かけたことがあるもの。
それは絶対に間違いない。
「あんなにマジに拒否られたの初めてだったから、さすがにこっちも動揺した。だからこそ、お前の気持ちが俺に向くのを待って、四年も手出さずにいたのに。婚約者相手にプラトニック貫いて、待ってるうちに逃げられるとか……いったいどういう仕打ちだって言うんだよ」
最後はチッと舌打ちをして、祐は白衣のポケットに両手を突っ込んだ。
一方的に婚約を破棄した私を詰る彼の言葉を聞くうちに、私もきゅっと唇を噛んでいた。
なぜ祐に、私が彼のものにならなかったことを詰られなきゃならないんだろう。
私とは『結婚も恋愛も絶対ない』と先に言ったのは祐の方だ。
中学生のあの時以降、私たちは完全に他人だった。
婚約だってウチの祖父が勝手に押し進めたものだし、私の方こそ、祐がなぜ承諾したか、ずっと謎だった。
でも確かに祐の言う通り、私が最初に拒絶して以降、四年の婚約期間の間、彼は私に触れようとはしなかった。
それどころか、婚約者と言うだけで、私たちは友達でも恋人でもなかった。
それに、私は知っている。
祐は私と婚約している間も、付き合っている人がいたはずだ。
何度か女の人と一緒にいるのを見かけたことがあるもの。
それは絶対に間違いない。