イジワル外科医の熱愛ロマンス
私はこの東都大学医学部心臓外科医局で、医局秘書として働いている。
入職は一昨年の冬。まだやっと一年ちょっとというところだ。
ここに来るまで、私は秘書どころかまともな職務経験もなく、最初はちょっと不安だった。
もともと人見知りしやすい性格で、全員集まればかなり大所帯になる心臓外科医局というのも、かなりプレッシャーだった。
けれど、そんな私を、医局のみんなはとても温かく迎えてくれた。
そして、今も――。
「あ、お帰りなさ~い! 雫さん!」
医局に戻り、一歩中に足を踏み入れた途端、明るく弾んだ声が私を出迎えた。
一瞬ドキッとしながら足を止め、すぐにヒラヒラ手を振っている彼女の姿を見つけて、私も顔を綻ばせる。
「ただいま、美奈ちゃん」
そう返事をすると、彼女はニコッと愛くるしい笑顔を向けてくれた。
心臓外科医局の医療事務職に就く森居美奈(もりいみな)ちゃんは、私より一つ年下。
もうここで五年働いていて、私にとっては大先輩だ。
私が入職した時、前任の秘書さんが既に退職していた為、それまでの間、美奈ちゃんが事務と秘書職を兼任していたそうだ。
兼任、と簡単に言っても、私が思う以上に大変だったんだろう。
『やっと新しい秘書さん来てくれた~! 嬉しい、嬉しいです!』
入職は一昨年の冬。まだやっと一年ちょっとというところだ。
ここに来るまで、私は秘書どころかまともな職務経験もなく、最初はちょっと不安だった。
もともと人見知りしやすい性格で、全員集まればかなり大所帯になる心臓外科医局というのも、かなりプレッシャーだった。
けれど、そんな私を、医局のみんなはとても温かく迎えてくれた。
そして、今も――。
「あ、お帰りなさ~い! 雫さん!」
医局に戻り、一歩中に足を踏み入れた途端、明るく弾んだ声が私を出迎えた。
一瞬ドキッとしながら足を止め、すぐにヒラヒラ手を振っている彼女の姿を見つけて、私も顔を綻ばせる。
「ただいま、美奈ちゃん」
そう返事をすると、彼女はニコッと愛くるしい笑顔を向けてくれた。
心臓外科医局の医療事務職に就く森居美奈(もりいみな)ちゃんは、私より一つ年下。
もうここで五年働いていて、私にとっては大先輩だ。
私が入職した時、前任の秘書さんが既に退職していた為、それまでの間、美奈ちゃんが事務と秘書職を兼任していたそうだ。
兼任、と簡単に言っても、私が思う以上に大変だったんだろう。
『やっと新しい秘書さん来てくれた~! 嬉しい、嬉しいです!』