イジワル外科医の熱愛ロマンス
不慣れな私を、そんな言葉と満面の笑顔で歓迎してくれた。
仕事を教えてくれたのも、私を医局のみんなに紹介してくれたのも、彼女だ。
医局の古参メンバーでもある美奈ちゃんは、私と違って明るくて素直で、ムードメーカー的な存在。
皆に可愛がられるアイドルのような感じだ。
その彼女が、デスクに戻る私に、ちょこちょこっとついてきた。
「あの、雫さん。今晩って、なにか予定あります?」
連絡会の資料をデスクに置いた私に、彼女がそっと窺うように訊ねてきた。
「え?」
振り返って聞き返すと、美奈ちゃんがヒョイッと肩を竦める。
「実は、四月から新しい先生が来るそうで、今教授にご挨拶に来てるんです」
その説明を聞いて、私は医局の奥のちょっと重厚なドアに、なんとなく目を向けた。
そこは、この心臓外科医局のボスである園田(そのだ)教授の教授室だ。
「ちょうどいいから、この後ちょっと都合つく人だけでも集めて、プチ歓迎会しようって、木山(きやま)先生が提案して」
「歓迎会……」
美奈ちゃんの言葉を繰り返しながら、私は無意識に左手首の腕時計に視線を落とした。
この医局の准教授・木山先生は、美奈ちゃん曰く『腹黒』だそうだけど、後輩のドクターや研修医の面倒見がいい人だ。
突然、歓迎会を言い出すのも、彼なら頷ける。
仕事を教えてくれたのも、私を医局のみんなに紹介してくれたのも、彼女だ。
医局の古参メンバーでもある美奈ちゃんは、私と違って明るくて素直で、ムードメーカー的な存在。
皆に可愛がられるアイドルのような感じだ。
その彼女が、デスクに戻る私に、ちょこちょこっとついてきた。
「あの、雫さん。今晩って、なにか予定あります?」
連絡会の資料をデスクに置いた私に、彼女がそっと窺うように訊ねてきた。
「え?」
振り返って聞き返すと、美奈ちゃんがヒョイッと肩を竦める。
「実は、四月から新しい先生が来るそうで、今教授にご挨拶に来てるんです」
その説明を聞いて、私は医局の奥のちょっと重厚なドアに、なんとなく目を向けた。
そこは、この心臓外科医局のボスである園田(そのだ)教授の教授室だ。
「ちょうどいいから、この後ちょっと都合つく人だけでも集めて、プチ歓迎会しようって、木山(きやま)先生が提案して」
「歓迎会……」
美奈ちゃんの言葉を繰り返しながら、私は無意識に左手首の腕時計に視線を落とした。
この医局の准教授・木山先生は、美奈ちゃん曰く『腹黒』だそうだけど、後輩のドクターや研修医の面倒見がいい人だ。
突然、歓迎会を言い出すのも、彼なら頷ける。