イジワル外科医の熱愛ロマンス
私の隣で木山先生は、『ほ』と短い声を漏らし、まさにその言葉の形に口を丸めている。
美奈ちゃんは隣から祐を見上げながら、「そうそう!」とどこかはしゃいだ声をあげた。
「雫さんって、割とドジなとこもあって、可愛いんです。さっすが、宝生先生! こういう時に、女の子がドキッとするようなこと、サラッと言えちゃうのがすごいですよね~。イケメン特許みたい」
パチパチと手まで叩く美奈ちゃんに、祐はほんのちょっと苦笑した。
木山先生はムッと唇を突き出す。
「なんでかなあ。美奈ちゃんが『イケメン』って言うと、いちいち僕を貶してるように聞こえるのは」
ボヤく木山先生には、美奈ちゃんはなぜか得意げに『ふふん』と胸を反らす。
「私にはまったくもって他意はないので、木山先生の被害妄想ですよ~」
「なにっ!? 美奈ちゃん、君は俺がなにを被害だと思って妄想していると……」
「あ、別に木山先生はイケメンじゃないとまでは言いませんよ? ただ~……ちょっともうおじさんだし、宝生先生に対抗するにはちょっと」
医局の事務員として古株の美奈ちゃんは、もともと明るく素直な性格なのもあり、結構物怖じせずにドクターたちと会話ができる。
私が怯んでしまうこういう話題もサラッと口にして、それを聞いた木山先生が「なっ……!」と言ったきり絶句した。
美奈ちゃんは隣から祐を見上げながら、「そうそう!」とどこかはしゃいだ声をあげた。
「雫さんって、割とドジなとこもあって、可愛いんです。さっすが、宝生先生! こういう時に、女の子がドキッとするようなこと、サラッと言えちゃうのがすごいですよね~。イケメン特許みたい」
パチパチと手まで叩く美奈ちゃんに、祐はほんのちょっと苦笑した。
木山先生はムッと唇を突き出す。
「なんでかなあ。美奈ちゃんが『イケメン』って言うと、いちいち僕を貶してるように聞こえるのは」
ボヤく木山先生には、美奈ちゃんはなぜか得意げに『ふふん』と胸を反らす。
「私にはまったくもって他意はないので、木山先生の被害妄想ですよ~」
「なにっ!? 美奈ちゃん、君は俺がなにを被害だと思って妄想していると……」
「あ、別に木山先生はイケメンじゃないとまでは言いませんよ? ただ~……ちょっともうおじさんだし、宝生先生に対抗するにはちょっと」
医局の事務員として古株の美奈ちゃんは、もともと明るく素直な性格なのもあり、結構物怖じせずにドクターたちと会話ができる。
私が怯んでしまうこういう話題もサラッと口にして、それを聞いた木山先生が「なっ……!」と言ったきり絶句した。