イジワル外科医の熱愛ロマンス
なのに、祐は鬱陶しそうに眉を寄せる。


「ああ? 別に気にするな。どうせ近いうちに全部俺がいただくんだし」


まるで呼吸するように恐ろしいことを言いのける祐に、私は血の気が引く思いで絶句した。
ワナワナと身を震わせる私に、祐はふんと鼻を鳴らす。


「医局ではずいぶんと身構えてたようだけど、家での警戒は甘かったみたいだな。生憎、お前んとこの澄子さん、『まあまあ宝生の坊ちゃま』って、俺のことふっつーに通してくれたぞ」

「っなっ……!?」


その情報には、思わず目を剥いた。


「どうせ警戒するなら、とことんやれ。今後は家でも怠らない方がいいぞ。俺が次来た時、今みたいにノーブラで寝てたら、今度は起こさずに遠慮なく手を出す。寝てる間にすべてが終わってました……なんて目に遭いたくなきゃ、肝に銘じておけ」

「っ!?」


カアッと顔に血が上るのを感じた。


「な、なんて破廉恥なことを口走るんですかっ!!」

「破廉恥って……お前、どこまで奥ゆかしいお嬢様なんだよ? 二次元の恋愛ゲームの男とは、そこまでしないわけ?」

「そんな描写があからさまに出るわけないでしょう!?」

「じゃ、次回ダウンロードするアプリは、『18禁』にしとけ。それで脳内冒されりゃ、雫でもリアルで発情できるんじゃねーか?」

「~~!!」
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