イジワル外科医の熱愛ロマンス
起き抜けからあまりに衝撃的な言葉をポンポンポンと遠慮なく畳みかけられ、私の身体はプルプルと震えた。
十分な明かりがなく、薄暗いままの部屋でも、私の顔が真っ赤になっているのは、祐も気付いたようだ。
彼は胸の前で腕組みをして、意地悪にニヤリと笑った。


「お前、俺が思ってたよりボリュームあって、触り心地いい。せっかくだから、年相応に淫乱になれ。その方が、お互い楽しめる」

「~~!! で、出てって!!」


首筋の大動脈がドクドクとすごい音で鳴っているのが、耳にまで聞こえるかと思った。


顔が茹ダコのように真っ赤に茹で上がっているのがわかるから、私は肩も首を縮めてくるりと祐に背を向けた。
背後で、彼の小さな溜め息が聞こえる。


「はいはい。出てってやるから、とにかくすぐに着替えろ。できるだけ、フォーマルな格好して来い」

「……え?」


軽くパニックして目に涙を浮かべながら、私は怪訝な気持ちで聞き返した。
肩越しにそっと、祐に目を向ける。


距離を保って改めて見てみると、祐は仕立てのいいビシッとしたブラックスーツを身に着けている。
普段医局で着ているスーツよりも、ちょっとおしゃれな印象。
多分きっと、光沢のある上質な素材。
パーティー仕様にもできる類の物だろう。
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