イジワル外科医の熱愛ロマンス
「ど、どうしてですか」
いろんな意味で警戒心をMAXにして、私は探るように訊ねる。
素直にすぐ『はい』と頷かない私が気に食わなかったのか、祐は綺麗にセットしてある髪をグシャッと軽く掻き上げた。
「宝生総合病院が共催してるチャリティーコンサートがあるんだよ。雫、クラシックコンサート好きだろ? 親父からボックスシートのチケットせしめてきたから」
「えっ? こ、コンサート……?」
彼の言葉につい興味を引かれて、私はちょっと上擦った声で聞き返しながら、振り返ってしまった。
まんまと食いついた、とでも思ったのか、祐は「ふん」と鼻で笑う。
「そ。曲目はベートーベンの第三、第五」
演目の後に彼が続けたのは、日本でも最高峰のプロオーケストラの名称。
その上タクトを振るのは、現在海外で活躍する新進の日本人マエストロの名前だった。
「う、嘘」
チャリティーなんて思えないほど、ゴージャスな顔ぶれのコンサートだ。
私は思わず一歩前に踏み出してしまう。
祐は目を細めてほくそ笑んだ。
「行きたいだろ?」
「う、うん」
「じゃあ、さっさと着替えろ。俺の隣に並んで恥ずかしくない服着てこいよ」
いろんな意味で警戒心をMAXにして、私は探るように訊ねる。
素直にすぐ『はい』と頷かない私が気に食わなかったのか、祐は綺麗にセットしてある髪をグシャッと軽く掻き上げた。
「宝生総合病院が共催してるチャリティーコンサートがあるんだよ。雫、クラシックコンサート好きだろ? 親父からボックスシートのチケットせしめてきたから」
「えっ? こ、コンサート……?」
彼の言葉につい興味を引かれて、私はちょっと上擦った声で聞き返しながら、振り返ってしまった。
まんまと食いついた、とでも思ったのか、祐は「ふん」と鼻で笑う。
「そ。曲目はベートーベンの第三、第五」
演目の後に彼が続けたのは、日本でも最高峰のプロオーケストラの名称。
その上タクトを振るのは、現在海外で活躍する新進の日本人マエストロの名前だった。
「う、嘘」
チャリティーなんて思えないほど、ゴージャスな顔ぶれのコンサートだ。
私は思わず一歩前に踏み出してしまう。
祐は目を細めてほくそ笑んだ。
「行きたいだろ?」
「う、うん」
「じゃあ、さっさと着替えろ。俺の隣に並んで恥ずかしくない服着てこいよ」