イジワル外科医の熱愛ロマンス
ブラックスーツを完璧に着こなした祐の隣に並んで、恥ずかしくない格好って!?
クローゼットを全開にして、ワードローブを確認しながら、私は選んだのは襟元が大きな白いレースで飾られた紺色のワンピースだ。
膝丈のシスター服みたいなデザインで、清楚で控えめに見える。
クラシックコンサートだし、このくらいが上品でいいんじゃないかと思った。
肩甲骨を隠す長さの黒髪は、ハーフアップに結い上げる。
普段は適当なメイクしかしないけど、今日は奮闘してみた。
鏡を覗いて、ちょっと派手かな?と心配になったけれど、素材が私だ。
私が見慣れないだけで、華やかと言うにはほど遠い見た目のはず。
自分でそう納得して部屋を出たのは、祐が出て行ってから三十分後のこと。
リビングでコーヒーを飲みながら文庫本を読んでいた祐は、いつもより気合の入った私を目にしても、特に反応を見せなかった。
「遅い。さっさと行くぞ」
膝の上でパタンと本を閉じ、スクッと立ち上がると私の横をあっさりと素通りしていく。
「あ、はい」
――もしかして、これでも地味だったかな。
なんのリアクションもないのをちょっと寂しいと思いながら、私は肩を竦めて彼の後を追った。
クローゼットを全開にして、ワードローブを確認しながら、私は選んだのは襟元が大きな白いレースで飾られた紺色のワンピースだ。
膝丈のシスター服みたいなデザインで、清楚で控えめに見える。
クラシックコンサートだし、このくらいが上品でいいんじゃないかと思った。
肩甲骨を隠す長さの黒髪は、ハーフアップに結い上げる。
普段は適当なメイクしかしないけど、今日は奮闘してみた。
鏡を覗いて、ちょっと派手かな?と心配になったけれど、素材が私だ。
私が見慣れないだけで、華やかと言うにはほど遠い見た目のはず。
自分でそう納得して部屋を出たのは、祐が出て行ってから三十分後のこと。
リビングでコーヒーを飲みながら文庫本を読んでいた祐は、いつもより気合の入った私を目にしても、特に反応を見せなかった。
「遅い。さっさと行くぞ」
膝の上でパタンと本を閉じ、スクッと立ち上がると私の横をあっさりと素通りしていく。
「あ、はい」
――もしかして、これでも地味だったかな。
なんのリアクションもないのをちょっと寂しいと思いながら、私は肩を竦めて彼の後を追った。