中島くんの憂鬱


はっきりと自覚した。


自分の気持ちに、気づいてしまった。


それを受け入れ、認めなくちゃいけない。


僕1人の胸にしまえば、これからも永遠に磯野と親友でいられる。


そうだ、それでいい。


あのアニメのように。


いつまでも歳を取らず、ずっと変わらぬ関係でいられる。


それでいいんだ。


現実の磯野は、どんどん変わっていくけれど__。


とりあえず、月曜日は磯野に謝ろう。でもあいつのことだ、なにもなかったように振舞ってくれる。


だから僕も今まで通り。


なにもなかったように__。


やがてまた、喧騒が静まるのと引き換えに、憂鬱がやってくる。


それは僕だけじゃない。


大半の日本国民がそうだ。


日曜日の夕方、なんちゃらシンドロームが席巻するんだ。


お気楽な明るいだけのオープニング。


滅多なことは起こらない、約束されたオチ。


安心という、なににも変え難い平和な物語が今日も始まる。


1話目は、物忘れについて。


2話目が、約束を守らなかったら起こりえること。


そして3話目が__。





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