中島くんの憂鬱
自分で自分を応援するなんて、妙な話。
それも日曜の夕方、テレビに向かってだ。
観るのを止めようとしたこともある。
だって、いつまで経っても中島(テレビの)は成長しない。
__それもそうか。
年とらないんだからな。
でも小さい頃は、テレビにかじりついていた。
出番の多い磯野と比べ、中島が出てこない週もある。
出てきたらきたで、大した活躍をすることもなく、不動産屋の出しゃばり女子に邪魔される。
たまに、ほんのたまーに、野球で活躍した日なんかは学校に行くのが楽しかった。
「お前は磯野の金魚のフンだな」なんてからかわれた時だって、そんな悪い気はしなかった。
磯野がいて、中島がいる。
それは現実世界でも同じ。
中島がいて、磯野がいる。
僕たちは一心同体。
永遠のパートナーだ。
ずっとそうだと、思っていたのに__。