好きの重さ


「何してたの?この一年。」


もらった鮭のおにぎりを一口入れた時、小野寺にそんな事を聞かれた。



「仕事。」


当たり前のように、それしかない。

私は仕事が全てだから。



「へぇ。居酒屋の兄ちゃんとは?順調?」


「いつの話してんの?

っていうか付き合ってないし。」


私は1年前、私に好意を寄せている20歳越えの居酒屋の店員にお持ち帰りされて、

そのまま一夜の過ちというのをおかしてしまった。



酒で潰れた私をお持ち帰りした、その男が朝起きて素っ裸な私に言った言葉は


「俺たち、付き合おうよ。」


もちろん返事はNO。




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