僕の恋の色 【短編】
染まる、世界がキミ色に
今、俺の隣に座っている君へ。
出席順の都合により、ほとんどの確率で隣の席になる。
今日も心理学の講義で一緒になった。
君は知っているだろうか。
入学してからずっと、君を見つける度に舞い上がる様な思いを僕がしていることを。
少しストーカー気味で怖いかもしれないが、この想いは真摯的なものである。
今日も先生の話しを聞いている様で聞いていない。
右から左へと流していく。
全ては君に僕の神経が集中してしまって、仕様が無いのだ。
ちなみに僕は聞いていないが、今先生が話している内容は、色彩情報らしい。
人間は色の付いているものを一瞬のうちに頭の中で整理し、理解してしまうのだそうだ。
君は確かに他の人とは少しイメージが違う。
そうか。
僕からすれば、君が僕の視界に入った途端、君以外はモノクロに見えているのかもしれない。
そして、赤の反対を意味する色は、緑である。
君の隣にいる間、僕は真っ赤に顔を染め上げているはずだ。
だが、君はその真逆。
落ち着いた、それでいて僕を癒してくれる色。
きっと隣合うとすれば、ギラギラと落ち着きがなくなってしまうのだろう。
もしもの話し、君が赤だとすれば、僕は青だ。
青は黒と並べば、見えなくなってしまう。
君からすれば、僕なんてきっとそんなものなのかもしれない。
正直、悲しいけれど。
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