炭酸アンチヒーロー
薄暗かった空が雨を降らせ始めたのは、その日の午後からだった。
「よかったなー、今日ミーティングの日で。この雨じゃどーせ室内練だったろうし」
「やっぱやるならグラウンドだよなー」
他愛もない会話をしながら、ミーティングを終えた野球部員たちが生物室からぞろぞろと出ていく。
野球部の顧問は、理科担当の先生だ。そのため、ミーティングはいつも生物室で行っている。
俺も同じように廊下を歩くひとりだったが、ふとあることを思い出して足を止めた。
「やべ。俺朝練のとき使ったタオル、部室に忘れてきた気ぃする」
「マジ? 使用済みは忘れんなよー」
「……取ってくる」
ため息混じりにつぶやいて、一緒に歩いていた悠介たちとは別の方向へと歩き出す。
部室に入るには、まず職員室に寄って鍵を借りてこねぇと……ったく面倒だな。
いくら自分のせいとはいえ、俺はまた軽いため息を吐いた。
──まさかこの後、自分があんな行動をとってしてしまうことになるとは、思いもせずに。
「よかったなー、今日ミーティングの日で。この雨じゃどーせ室内練だったろうし」
「やっぱやるならグラウンドだよなー」
他愛もない会話をしながら、ミーティングを終えた野球部員たちが生物室からぞろぞろと出ていく。
野球部の顧問は、理科担当の先生だ。そのため、ミーティングはいつも生物室で行っている。
俺も同じように廊下を歩くひとりだったが、ふとあることを思い出して足を止めた。
「やべ。俺朝練のとき使ったタオル、部室に忘れてきた気ぃする」
「マジ? 使用済みは忘れんなよー」
「……取ってくる」
ため息混じりにつぶやいて、一緒に歩いていた悠介たちとは別の方向へと歩き出す。
部室に入るには、まず職員室に寄って鍵を借りてこねぇと……ったく面倒だな。
いくら自分のせいとはいえ、俺はまた軽いため息を吐いた。
──まさかこの後、自分があんな行動をとってしてしまうことになるとは、思いもせずに。