炭酸アンチヒーロー
「──蓮見? 何やってんの?」
「え?」
自分を呼ぶ声に反応して振り向いた蓮見は、俺の姿を確認すると目を丸くした。
……今は放課後で、彼女はかばんを手にしていて、ここは校舎の外で。
だから何をしているかなんて、聞かなくてもわかることなんだけど。
だけど、そこであえて俺がそう口にしたのは──この雨の中、蓮見が傘も差さず頭に腕をかざしながら、足早に歩いていたから。
「あ、私、今日傘忘れちゃって……だからとりあえずバス停までこのまま、」
「待った。蓮見ちょっと来て」
彼女の言葉を遮り、その濡れた腕を掴む。
……傘を忘れた? んで、この雨なのに歩いてバス停までって?
パッとこちらを見上げた蓮見に、自分が手にしていた学ランを被せてやる。そのまま腕を引いて、駆け足で部室の方へとUターンした。
先ほどかけたばかりの鍵を再び開け、雪崩れるように中へと駆け込む。
「え?」
自分を呼ぶ声に反応して振り向いた蓮見は、俺の姿を確認すると目を丸くした。
……今は放課後で、彼女はかばんを手にしていて、ここは校舎の外で。
だから何をしているかなんて、聞かなくてもわかることなんだけど。
だけど、そこであえて俺がそう口にしたのは──この雨の中、蓮見が傘も差さず頭に腕をかざしながら、足早に歩いていたから。
「あ、私、今日傘忘れちゃって……だからとりあえずバス停までこのまま、」
「待った。蓮見ちょっと来て」
彼女の言葉を遮り、その濡れた腕を掴む。
……傘を忘れた? んで、この雨なのに歩いてバス停までって?
パッとこちらを見上げた蓮見に、自分が手にしていた学ランを被せてやる。そのまま腕を引いて、駆け足で部室の方へとUターンした。
先ほどかけたばかりの鍵を再び開け、雪崩れるように中へと駆け込む。