WANTED ~何故か隣国で指名手配されていたので、乗り込んでみました~ (平行世界)
長身で幾重にも重ねた薄布をまとった謎な人。
「ラミーノアと申します。キバから話を伺っております。宿へ案内いたしますね」
丁寧な言葉づかいだが、別の意味で怪しいと思いつつ、彼女…だと思う人の後をシノと一緒に着いて歩く。
港町は人が多くにぎわっている。それはテニトラニスの港とあまり変わりがない。
大きなテント小屋からたくさんの人が出てきていた。
不思議に思って目を留めてると、
「あれはサーカス小屋です。常住して営業しているんですよ」
と説明をしてくれた。
あと町を歩いて気になったのは、どこからでも見える高台にある宮殿。
一際目立っている美しい造りである。
「あれはこの国の第2の王城だよ」
と、シノが笑顔で答えてくれた。
王いつもは国の中心にある城に住んでいるのだが、年に何日かはこの城に来るらしい。
「今は、あの宮殿にいるみたいだから、明日のディアの目的地はあそこだから」
「えぇー?!」
「今更、行かないは無しだからね」
「でも、城って…」
「大丈夫、話は通してあるから」
にっこり笑って言い切るシノにちょっと疑問を抱く。
隣を歩くこの少年はいったい何者だ、と。
海を渡ってカルマキルの王都まで行って、名前に賞金を出しているという者を探し出して会う。
『長旅になるだろうなぁ』という覚悟を持っていたのだが、何だかいきなり『王城の人に会う』という別の覚悟が必要になっている。
しかも、そんな特別な人たちに話しを通せるというシノ。
ふっと話が途切れた二人の様子を見て、ラミーノアが口を挟む。
「私の職業は占い師なんですけど、明日が吉日と出てますよ」
「占い師さん??」
「はい、こんな怪しげな格好でびっくりしたでしょ? 衣装なもので」
そう言って優しく笑う彼女だったが。
「えーっと、その格好は趣味だと聞いているが…?」
シノがちょっと苦笑いした表情。
「あら、知られてました?」
「え? え?」
「性別はともかく、信用できるみたいだから」
にっこりと邪気のない笑顔を見せるラミーノアだったが、女性にあるはずの胸が見当たらなかった。
「ラミーノアと申します。キバから話を伺っております。宿へ案内いたしますね」
丁寧な言葉づかいだが、別の意味で怪しいと思いつつ、彼女…だと思う人の後をシノと一緒に着いて歩く。
港町は人が多くにぎわっている。それはテニトラニスの港とあまり変わりがない。
大きなテント小屋からたくさんの人が出てきていた。
不思議に思って目を留めてると、
「あれはサーカス小屋です。常住して営業しているんですよ」
と説明をしてくれた。
あと町を歩いて気になったのは、どこからでも見える高台にある宮殿。
一際目立っている美しい造りである。
「あれはこの国の第2の王城だよ」
と、シノが笑顔で答えてくれた。
王いつもは国の中心にある城に住んでいるのだが、年に何日かはこの城に来るらしい。
「今は、あの宮殿にいるみたいだから、明日のディアの目的地はあそこだから」
「えぇー?!」
「今更、行かないは無しだからね」
「でも、城って…」
「大丈夫、話は通してあるから」
にっこり笑って言い切るシノにちょっと疑問を抱く。
隣を歩くこの少年はいったい何者だ、と。
海を渡ってカルマキルの王都まで行って、名前に賞金を出しているという者を探し出して会う。
『長旅になるだろうなぁ』という覚悟を持っていたのだが、何だかいきなり『王城の人に会う』という別の覚悟が必要になっている。
しかも、そんな特別な人たちに話しを通せるというシノ。
ふっと話が途切れた二人の様子を見て、ラミーノアが口を挟む。
「私の職業は占い師なんですけど、明日が吉日と出てますよ」
「占い師さん??」
「はい、こんな怪しげな格好でびっくりしたでしょ? 衣装なもので」
そう言って優しく笑う彼女だったが。
「えーっと、その格好は趣味だと聞いているが…?」
シノがちょっと苦笑いした表情。
「あら、知られてました?」
「え? え?」
「性別はともかく、信用できるみたいだから」
にっこりと邪気のない笑顔を見せるラミーノアだったが、女性にあるはずの胸が見当たらなかった。