虹色キャンバス
裸婦デッサン
「ねぇ、村上君。もう少し右」


「え~」


「だって、頭が邪魔で見えないんだもん」


「この位置ベストなんだけどなぁ。胸のカタチといい、腰のクビレといい」


「なら一番低い椅子使ってよ」


「俺、あれ嫌いなんだよなぁ」


「じゃ、ズレる」

樋口が村上のことを冗談まじりに睨んだ。


「ハイハイ」

村上は木製の重いイーゼルを引きずりながら右に移動した。

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