虹色キャンバス
湯船にお湯がたまるまで二人でビデオを見た。

ベッドの上に座りながら、僕は安西を後ろから抱きしめるように包み込んだ。

寄りかかる安西の髪に頬を寄せる。


出会ったころ、

僕は安西に対して特別な感情など持っていなかった。


だが、安西の積極的な愛が

僕の気持ちを急速に変えている。


性に対する好奇心の対象から

愛しく思う対象に。


僕は安西のことを愛し始めていた。


そしてその思いと反比例するかのように

真木に対する思いは消えていった。

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