虹色キャンバス
「さすが日本画家だな。庭が芸術になってる」

「そう言ってもらえると嬉しいな。この庭は祖父のお気に入りなんだ」

山根のおじいさんは僕でも知っているほど有名な日本画家だった。

大きな日本庭園の脇で車は止まった。

庭園には池があり、その横に建物が見えた。

小さな一軒家だった。


「山根。お前、意外と小さな家に住んでるんだな」

村上がそう聞いたのも無理はない。

立派な庭のわりには庶民的な大きさの家だったからだ。

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