虹色キャンバス
「お店みたい」

「そうなの?行ったことないからよくわからないけど」

「え?山根君、お店行ったことないの?」

「ああ」

「え?じゃあ、画材とかどうしてるの?」

「業者の人が持ってきてくれるから」

「マジかよ、それ」

「そりゃそうか。じいさんが日本画の大家(たいか)だもんな。僕たち庶民とは違うよな」

そう言うと、山根は少し遠慮がちに

「少し恵まれてるのかな」と言った。

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