虹色キャンバス
「少しどころじゃないぜ。なぁ村上」

「だな」

正直、山根がうらやましかった。


山根の祖父は有名な画家

父親は美術評論家

そして山根自身も絵を志している。


金銭的な不安など、生まれてから一度も感じたことはないだろう。

何の不自由もなく、絵を描くことに没頭できる山根の境遇がうらやましかった。


僕みたいなサラリーマンの子供とは天と地ほどの違いだ。

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