虹色キャンバス
ほどなくして本宅へ到着。

玄関で山根の両親が出迎えてくれた。

「やあ、いらっしゃい」

山根の父親は煙草のパイプをくわえていた。

映画なんかで見たことがある、洒落た木製のやつだ。

パイプをくわえた人を僕は人生で初めて見た気がする。


「紹介します。日本画科の安西さんに、油科の佐久間君と村上君です」


「孝之がいつもお世話になってます」

山根の母親が丁寧にお辞儀をした。

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