虹色キャンバス

「大学至上主義。自分の個性を忘れて規格にはまろうとしたがる。笑っちゃうよな」


「ひとりで描いていくんですか？」

「海外にいく」

「海外？」


「海外で勉強して、向こうで活動する。日本の美術界が見向きもしなくても、向こうの展覧会で認められれば、手のひらを返したように日本でも、もてはやされる。それがこの国さ。映画にしたってそうだろ？　海外で賞をもらえば、それだけで大騒ぎだ」


「すごいですね。僕にはそこまでの勇気はないな」