虹色キャンバス
休憩時間、

窓際で雑談をしていたら、アトリエに山崎が入ってきた。

山崎はみんなのデッサンを眺めると、僕のやつの前で足を止めた。

「おい、樋口」

「はい」

「なかなか良いじゃないか。う~ん。もう少しこの辺を描き込めば言うことなしだ」

すると、樋口は苦笑いをしながら

「…先生。それ、佐久間君のです」

と言って、僕の顔を見た。

「え?…ほー。佐久間のか」

そう言うと、山崎は他の絵に眼をやった。

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