虹色キャンバス
「弱気にもなるさ。クラスのみんなを見てると、つくづく自分が平凡な人間だってことを思い知らされるよ」


「ふーん。そんなに違うのか?」


「生まれ持った才能、境遇。すべてが違いすぎるよ」


「お前だって、絵の才能は結構あると思うけどな。だから、うちの美術科にも受かったんだろうし」


「学校側の意図とは、少し違ったのかもしれないけどな」


「でも、今から普通科に転科するのは正直厳しいぜ。うちの大学の美術学部に、そのまま進んだほが楽なんじゃないか?」

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