虹色キャンバス
その日の晩


僕は父親に進路のことを相談した。

父は、もともと美術科への進学を希望していなかったから、何を言われるか想像はできた。


「で、美術科は辞めるのか?」


「できれば普通科に転科しようかと」


「ハ~」

父が大きなため息をついた。


「だからあの時、普通科に決めていれば良かったんだ」


「あなた」

母が父をなだめるように制止した。

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