虹色キャンバス
能天気だった自分を恥じた。


『画家になります』


現実も知らずに

夢物語を見ていた自分を恥じた。

父の言うとおりだ。


みんなから絵がうまいとほめられて、有頂天になっていただけのことだ。


机の上にあった筆たてを、おもいっきり手で払いのけた。


油画用の筆が何本も床に散らばった。

< 203 / 216 >

この作品をシェア

pagetop