白のアリア
 城へついた。
 初めての長旅の為にアリアはヘトヘトだ。しかし、嫁いできた王女として、挨拶だけはしておかなくてはいけない。アリアは紅茶をグイッと飲み干すと気合を入れ直した。

 
 謁見の間。アリアを迎えたのは、まだ若い茶色の髪の王とその妃。
 アリアはいつもどうり挨拶をした。

 王の名はアルバート。
 アルバートはアリアを危険な目に合わせた事をわびた。
 普通なら、いえいえ気になさらずに……とか言うのだろうか。
 しかしアリアは違う。少し、かなりひねくれているのだ。

「そうよ!あんな目に合わせるなんて、危うく死にかけたじゃない!」

 それはあんたが勝手に飛び出してきたから……。
 周りは心の中で突っ込む。
 
 アルバートはその迫力に圧倒され、思わず
すみませんと頭を下げ、もはやどっちの立場が上か分からない。
 「この国の感想はどうですか?」
 なんて気を使っても、アリアはつっけんどんに
こう答える。

「寒い!」

 うん、北の国だからね。あんた、それぐらい分かってただろう。
 ひやひやしながら、突っ込む侍女と衛兵達だった。
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