白のアリア
「それはですわね〜」

 待ってましたと言わんばかりのデュラの喜び方に、アリアは若干後悔した。デュラは長く黒い巻かれた髪を指でもて遊びながら
遠い過去に想いをはせ、語った。

「私の生まれた村は、この北の国でも
もっとも北、寒さの厳しい所でしたわ。
私はその村でもっとも美しい娘でしたの」
 
 自分で美しい言うんかい……。

 アリアは心の中でつっこみをいれる。

「しかーし」

 デュラはアリアの方に身を乗り出す。うーん、この子面白いかも。デュラはのりのりで目をうっとりと、これからが山場と話を紡ぐ。

「ねえ、アリア姫この髪見て下さらない?」

「へ?」

 アリアはデュラの髪に目をこらした。すると、わずかな白髪を見つける。

「以外……苦労してるのね。あんた。まだ
若いのに」

デュラは見た目は、17から19くらいに見えた。

「うふふ……これは地毛なのですわ」

 地毛……?

 アリアは目をパチパチさせてデュラの悲しそな顔を見た。

「白い悪魔……それが私のもう一つの名前でしたの……」

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