白のアリア
 その日からデュラは忙しいらしく、アリアの世話はリルカが受け持つ事になったみたいだった。
 アリアはなんとかクルスの居場所を聞き出したかったが、ルリカはデュラに比べて口数が圧倒的に少なく
なかなか接点をもてない。

「リルカは髪そのままなのね」

「ええ、悪いことはしてませんから」

「そうよね奇麗な髪。クルスの髪は日にあたるとキラキラして奇麗だったわ」

 クルスと聞いて、ルリカの表情が少し動いた。アリアは少しルリカと接点が持てたと思い、話を続けてみた。

「クルスって変なやつよね。妙に前向きでさ〜」

「普通、あんな苦労してたら
もう少しやさぐれてて良いのにね」

 すると初めてリルカが話しだした。

「本当……おかしな人だわ……私には分からない
あんな風には生きれない、これまでもこれからも」

「そんな事ないわ、だってあなただってその髪を隠さずに生きているじゃない」

「それって負けてないってことよね?」

 リルカはとても驚いた顔をして、アリアを見た。

「リルカ……私はケルンの事が知りたいの。
もし戦争になったらたくさんの血が流れるの。
お願い教えて!」

 リルカは窓の外に降り積もる雪の見つめて、そっと話をしだした。
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