白のアリア
「意味が分からないのですが……?」

 村人達は説明する気はさらさらないといった感じで、デュラの服をはぎ取ろうとする。しかしデュラも負けてない。必死に抵抗した。
 するとデュラに変わってリルカの服に男は手をかけた。

「やっ……」

 リルカは恐怖で動けない。みるみる顔が真っ青になる。

「やめて!」

 デュラが大きな声で叫んだ。

「脱ぐわ!だから理由くらい教えて下さる?」


 男達は目で合図しあうと、面倒そうに話始めた。

「この町に反逆者が逃げ込んだ。早く見つけて差し出さないと、大変な事になる」

 それとリルカ達の服を脱がすことと何の関係があるのか……。嫌がらせに他ない。

「疑われたくないなら、脱いで
何も隠してないことを証明しろ」

「分かりました」

 デュラは大きくため息をつくと、ぱぱっと服を脱ぎ始めた。デュラはもう14歳、将来の美しさをにわかに
感じさせ始めている。男達はごくりとつばをのみこむ。

「やめて!その反逆者なら私見ました!」

「リルカ!」

「おそらくもう亡くなってると思いますけど……」

 男達はリルカの手をぐいっと掴むと戸の外へ連れ出した。デュラは慌て追いかけたが、深い雪がリルカを隠してしまっていた。
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