白のアリア
白い雪に飛び散る赤い血。血。血の海。リルカは恐る恐る顔を上げる。そこに立ったいたのは、あの倒れていた男だった。
 男は大丈夫かとは言わず、軽く舌打ちするとリルカに手を差し伸べた。リルカはその手に触れる。とても冷たい手だったが、手の温かい人よりも冷たい人の方が心が温かいと昔聞いたのを思いだした。
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