白のアリア
 白国の一日早いらしい。
 アリアは開かれたカーテンから射し込む日差しの眩しさで目を覚ました。

「おはよう。アリア。良く眠れた?」

「私はまだ寝たいんたけど……」

 アリアが眠い目をこすりながら、抗議すると
クルスはアリアをヒョイっと持ち上げた。

「出かけようよ、アリア。国を案内するよ」

「着替えるから、降ろして!
出て行って!」

 何なのあいつ!

 アリアはクルスの真意を測りかねていた。
だって二人はまだ出会ったばかりだ。
なのにまるで、前から知ってたみたいにクルスは笑う。

「愛されてますね。アリア姫」
 
 侍女の一人が嬉しそうに言った。

「王様の命令だからでしょ。ねえこのドレスは
寒いわ。もっと厚手のものない?」

 アリアは寒がりなのだった。
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