間違った恋
「おっはよー!沙耶!」
奇妙な出来事があった夜から日が明け、木曜日の朝のリカコのテンションは高いまま。
「…おはよう」
寝不足や今日の遅刻、昨日のことがありテンションだだ下がりの私を見てリカコは暗〜いなんて呑気な事を言っていた。
「ってかなんで今日遅刻したのよ!私早起きして来たんだから!!」
そう言ってプリプリとフグのように怒るリカコ。
その姿がなんだか可愛く見えて少し笑ってしまった。
「何笑ってんのよ!ほら1限の授業ノート」
カバンから取り出したノートを私に手渡して来たのでお礼を言うと貸し1と言われた。
「ならさっき買ってきたチョコあげるよ」
「マジ?ラッキー」
リカコは見た目に反して授業態度は真面目。
ちゃんと授業聞いてノート取るし、字は丸くて可愛いし。
なんかリカコの全てが羨ましく思えてくるような感じ。