間違った恋

「ただいまー」

「お邪魔しまーす」

アパートの下に自転車を止めると慣れたように私の家へと足を向けるリカコ。

カツカツとヒールの音を立てて階段を上っていくリカコを追いかけた。

「あら、いらっしゃいリカコちゃん。」

「おばさん少し痩せたんじゃない?」

「最近仕事忙しくってね」

世間話をするおばさんの会話を繰り広げるリカコと母さん。

リカコとは中学が一緒の腐れ縁。

高校は違ったけど連絡は頻繁に取り合って居たし、大学が一緒になってからは毎日のように連んでいる。

中学時代から頻繁に遊びに来て居たリカコを我が子のように可愛がる母さんの事がリカコは大好きなのだ。

母さん曰く私よりリカコの方が娘らしいとこないだ言われたばかりだ。

「リカコちゃんご飯食べる?」

「え!いいの!?」

「いいわよ、今日はカレーね」

やったー!なんてはしゃぐリカコはどうみたってこの家の子みたいだ。
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