間違った恋
「ご飯作るからゆっくりしててね」
「はぁーい!」
気分良くニコニコとしているリカコとは真逆に無表情な私。
母さんよ、アンタの子供はどっちだよ。
「って事でおばさんが作ってるうちに話すからよく聞きな!」
急に手を引っ張られたと思えば私の自室へ放り込まれた。
そのおかげで小さいテーブルに脛ぶつけたし。
「話って何?」
もうさっきからうるさいのなんの。
リカコはバンバンと小さいテーブルを叩く。
壊れたら弁償してもらおうと心の中で思ったが口には出さない。
「そうそう!!沙耶、落ち着いて聞いてよ」
まず落ち着くべき人はリカコ、あなた自身だと思うんだけどそれは私だけなのでしょうか。
「アタシこないだ行ったクラブにさっき顔出しに行ったんだけど、そこで聞いちゃったのの!!」
「だからなにを?」