間違った恋
「まあ俺そんな事しないけどね」
タバコを咥えて火をつけ、ソファに座り足を組んだイケメン。
…足長え。
ってか何で若頭もイケメンも顔が良くてスタイル良くて足長くて髪サラッサラなの!?
もうこんなの女が放っとかないじゃん。
…性格以外は。
性格に難ありなイケメンを見ていてふと思うことがいくつかあった。
一つ目はスマホが鳴りっぱなしでウザい。
二つ目は何故私と言う女が目の前にいるのに着替えを始めたのか。
着ていた服から黒スーツに着替えをしているイケメンは私にパンツを丸出しにして恥ずかしくないのか…
こっちは気まずくて顔を伏せた。
なんか負けた気がしたけど、イケメンのイチゴ柄パンツ見るよりは…ね?
三つ目、服を脱ぐときに見えた刺青。
右肩から腰にかけての大きな鯉が描かれているイケメン。
刺青とかシンプルに痛そう。
「ん?どうかした?」
視線に気づいたイケメンは服を着ると私に暖かいお茶を入れてくれた。
お礼を言ってから若頭の方へ向き直った。
「あの…私いつから働けば良いですか?」
とりあえず早くバイトしないとお金がヤバイんだよなぁ。
「どうする」
若頭は自分で答えを出さずに隣に座っているイケメンに答えを求めた。