間違った恋

渋々化粧をして髪の毛をヘアーアイロンでストレートにして身支度を完成させてリカコを待っていると玄関の扉がガチャリと音を立てて開いた。

「ただいまー」

「おかえり、また夜勤?」

40代半ばの母は女手一つで私を育ててくれている。

看護師をしている母は夜勤で寝不足らしい。

「あれ沙耶?学校は?」

休講。と伝えると疲れた笑顔で、

「そう、母さん寝るから。晩御飯は?」

晩御飯のことを尋ねられたが断った。

何せ、あのリカコとクラブに行かなきゃならないから。

「ゆっくり休んでね、おやすみ」

寝室に入った母さんを見送って私はリカコが来るまでゆったりとしていた。

しばらくしてスマホが着信を知らせた。

『着いたよー出てきて!』

元気いっぱいのリカコは家の前に立っていた。

「おはよう」

「おはよう!清々しい朝だね!」

どうして朝からこのテンションでいられるのかと疑いたくなるようなリカコは一日中このテンションなのだ。

マジマジとリカコに魅入る。
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