間違った恋

「沙耶ちゃんの家でいいの?」

「あ、はい!」

眠ってるリカコを部屋まで運ぶのはちょっとねー。

リカコ派手な身なりしてるけど、家は相当厳しいし。

だから只今反抗期中…らしい。

「了解」

そういうと、滑らかに滑り出した車。

いや、高級車?

うん、車は詳しくないけど多分高い…と思うよ。

「あ、沙耶ちゃんこれ俺の番号だからちゃんと登録しといてね」

そう言って遊佐さんの番号らしき数列を見せられてしょうがないから自分のスマホに登録せざるを得なかった。

番号を登録すると、世間でよく活用されているアプリであるラピンに通知があった。

電話登録を許可している為、今登録した遊佐さんのラピンをゲットしてしまった訳だけども。

「遊佐さんのアイコン…これ」

「可愛いでしょ?」

「あぁ、はい」

でもなぜ聖徳太子なのでしょうか?

おっと、背景には奈良の大仏。

「歴史好きなんですか?」

「いや、別に」

ならなんで歴史上人物がアイコンなんだよ。

「それアツシが設定したんだよ。俺ならなんでもいいだろって」

「ええ!?」

ちょ、凄い以外なんだけど…

アツシさんってラピン使えるんだ。

「俺が好きなのはボインな子だからね」

…でしょうね。

このイケメンチャラ男が。

「着いたけどどうする?その子運ぼうか?」

その子とリカコを指差す遊佐さん。

いつのまにか喋っていたら家に着いてたなんて…

でも私1人でリカコ担いでアパートの階段登れないよ。

「お願いします…」

申し訳ないけど遊佐さんにお願いして運んでもらった。

ってかリカコすごいな。

こんなに揺らしても起きないなんて。
< 52 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop