イケメン部 〜桐神時雨 Side〜
其ノ弍
激しく冷たい雨が降りしきる中、傘を持っていない僕は足早に帰路へと着いた。
ーーーと、ふと先ほどのことを思い出す。
城津くんがポツリと呟いた、
『傘持って来てないや』
海空さんだけが持っていた。
きっとこれが、世にいう『女子力』というものなんだろうなぁ
西条くんが一緒に帰るって行って海空さんの後をついて行ったけど…
「僕だって…」
僕だって彼女と一緒に帰りたかったのに…
涙が滲む。
雨と涙に眼鏡のレンズが濡れ、あまり前が見れなかった。
僕は何故か心の奥底でモヤモヤした気持ちが芽生え、少し苛立ちながら小走りで家の中へと入っていった。
「ただいま戻りました」
ドアを開けると、お母さんがタオルを持って待ち構えていてくれた。
「時雨さん、傘も持たずに出ていったでしょう?心配で心配で…」
不安げな表情を浮かべるお母さん。
ーーーと、ふと先ほどのことを思い出す。
城津くんがポツリと呟いた、
『傘持って来てないや』
海空さんだけが持っていた。
きっとこれが、世にいう『女子力』というものなんだろうなぁ
西条くんが一緒に帰るって行って海空さんの後をついて行ったけど…
「僕だって…」
僕だって彼女と一緒に帰りたかったのに…
涙が滲む。
雨と涙に眼鏡のレンズが濡れ、あまり前が見れなかった。
僕は何故か心の奥底でモヤモヤした気持ちが芽生え、少し苛立ちながら小走りで家の中へと入っていった。
「ただいま戻りました」
ドアを開けると、お母さんがタオルを持って待ち構えていてくれた。
「時雨さん、傘も持たずに出ていったでしょう?心配で心配で…」
不安げな表情を浮かべるお母さん。