たった一度のモテ期なら。
「どうって、あの、思ってたのと違うっていうか」
「おお。なんだ、どう違うの」
「え、意外と、優しい……」
言いながら恥ずかしくて顔に血が上った。
彼女には淡白とか冷たいとか言う評判だからちょっと覚悟してたのに、付き合ったあの日からずっと、予想以上にすごく優しい。
場がまた、しんとしてしまった。ここはきっともっと面白いことを言うところだった。
「フォローしないのか、西山」
「影森の勘違いでもないってことだな」
「赤くなってやがるよ。女子か」
「いいな、今日の西山はそそるな」
また言いたい放題言われてる。「ごめんね」と振り返ろうとすると「前向いてろ」と肩を小突かれた。
「まあ、そういうわけだから。次は原ちゃんにも彼女を作ってあげないとね!」
綾香が声を上げ、みんなもそうだよ原ちゃん、頑張らないと、と声をかけている。
原ちゃんは困ったように笑うけど、私もうんうんわかるよと頷いて見せた。綾香にそんなこと言われても困るよね?
「ぼんやりした奈緒がこれだけ照れるってねえ」
綾香は私と西山にだけ聞こえるようにこちらを向く。
「勝って兜の緒を締めよ、ってやつね。さすが」
「おお。なんだ、どう違うの」
「え、意外と、優しい……」
言いながら恥ずかしくて顔に血が上った。
彼女には淡白とか冷たいとか言う評判だからちょっと覚悟してたのに、付き合ったあの日からずっと、予想以上にすごく優しい。
場がまた、しんとしてしまった。ここはきっともっと面白いことを言うところだった。
「フォローしないのか、西山」
「影森の勘違いでもないってことだな」
「赤くなってやがるよ。女子か」
「いいな、今日の西山はそそるな」
また言いたい放題言われてる。「ごめんね」と振り返ろうとすると「前向いてろ」と肩を小突かれた。
「まあ、そういうわけだから。次は原ちゃんにも彼女を作ってあげないとね!」
綾香が声を上げ、みんなもそうだよ原ちゃん、頑張らないと、と声をかけている。
原ちゃんは困ったように笑うけど、私もうんうんわかるよと頷いて見せた。綾香にそんなこと言われても困るよね?
「ぼんやりした奈緒がこれだけ照れるってねえ」
綾香は私と西山にだけ聞こえるようにこちらを向く。
「勝って兜の緒を締めよ、ってやつね。さすが」