たった一度のモテ期なら。
「そっちの2人ー!いちゃついてないでさっさと来いよ!」

原ちゃんの大声にみんながこちらを向いてから、また前を向いて動き出した。その隙に、軽く唇を合わせて「好きだよ」と囁かれる。

「うるさく言われる前に行くか」

何事もなかったように歩き出す大きな歩幅を追いかけた。


できるだけいつも言って欲しいと最初に伝えて以来、この人は会うたびいつもさりげなくこうやって伝えてくれる。

毎日もっと好きになる。

私がささやかなモテ期の間に掴んだのは、そんな恋です。




THE END
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